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高齢でもオールオン4はできる?年齢と治療の関係

2026.09.03

高齢でもオールオン4はできる?年齢と治療の関係

高齢の患者様やそのご家族からは、「もう年だからインプラントは無理だろう」「この歳で手術をするのは不安」といったお声をよくいただきます。年齢を重ねると健康面での変化はありますが、年齢だけを理由にオールオン4治療ができないということはありません。

本コラムでは、高齢者のインプラント治療における年齢と全身状態の関係、治療を受けるメリット、安全に治療を行うための配慮事項について詳しくご説明いたします。

インプラント治療に年齢の上限はあるのか

インプラント治療において、明確な年齢の上限は設けられていません。顎の骨の成長が完了する18〜20歳以降であれば、年齢の下限はありますが、上限については全身の健康状態と顎の骨の状態が基準となります。

実際に、70代、80代、場合によっては90代の患者様がオールオン4治療を受け、快適な生活を取り戻しているケースは国内外で数多く報告されています。重要なのは「何歳か」ではなく、「治療に耐えられる全身状態であるか」「顎の骨の状態はどうか」という点です。

高齢者の治療で考慮すべき全身状態

高齢の患者様の場合、何らかの持病をお持ちであることは珍しくありません。治療に際しては、以下のような全身状態を慎重に評価いたします。

高血圧

高血圧は高齢者に多い疾患ですが、内服薬で血圧がコントロールされていれば、オールオン4治療は問題なく行えるケースがほとんどです。手術中はモニタリングを行い、血圧の変動に注意しながら安全に進めます。ただし、コントロール不良の重度高血圧の場合は、まず内科での治療を優先していただく場合があります。

糖尿病

糖尿病はインプラント治療の成功率に影響を与える可能性がある疾患のひとつです。しかし、HbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖コントロールの指標)が7.0%以下に安定している場合は、一般的にインプラント治療は可能とされています。糖尿病をお持ちの方は、かかりつけ内科医と連携して血糖コントロールの状態を確認したうえで治療を進めます。

骨粗しょう症

加齢に伴い骨密度が低下する骨粗しょう症は、特に女性に多い疾患です。軽度〜中等度の骨粗しょう症であれば、オールオン4治療は可能な場合がほとんどです。ただし、ビスフォスフォネート製剤(BP製剤)やデノスマブなどの骨粗しょう症治療薬を使用中の方は、顎骨壊死(MRONJ/BRONJ)のリスクがあるため、使用期間や投与方法を考慮した慎重な判断が必要です。担当医と十分に連携いたします。

心疾患

狭心症や心筋梗塞の既往がある方、ペースメーカーを装着されている方は、循環器専門医との連携のもとで治療の可否を判断いたします。抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用されている場合も、休薬の要否を含めて内科主治医と相談します。安定した心疾患であれば、多くの場合で治療が可能です。

その他の注意すべき疾患

  • 腎疾患・透析中の方:免疫機能や骨の代謝に影響があるため、個別に評価が必要です。
  • がん治療中・治療後の方:抗がん剤や放射線治療の時期・種類によって判断が異なります。
  • 認知症の方:軽度の認知症であれば治療可能なケースもありますが、術後のセルフケアやメンテナンス通院に支援が必要になる場合があります。ご家族のサポート体制も含めて総合的に判断いたします。

高齢者がオールオン4を選ぶメリット

高齢の患者様にとって、オールオン4には入れ歯では得られない多くのメリットがあります。

栄養状態の改善

合わない入れ歯を使い続けていると、硬いものや繊維質の食べ物を避けるようになり、食事が偏りがちになります。これは栄養不足や筋力低下の原因となり、フレイル(虚弱)の進行を早める要因にもなります。オールオン4であれば天然の歯に近い咬合力で食事ができるため、肉や野菜、果物など多様な食品をしっかり噛んで食べることが可能です。適切な栄養摂取は、全身の健康維持と要介護状態の予防に直結します。

誤嚥性肺炎のリスク低減

高齢者の死因として上位に挙げられる誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が気管に入ることで発症します。入れ歯は不衛生になりやすく、口腔内の細菌数が増加する傾向があります。オールオン4は固定式で清掃性が良く、適切なケアを行うことで口腔内の衛生状態を良好に保ちやすいため、誤嚥性肺炎のリスク低減にも寄与します。

社会的な自信の回復

入れ歯が外れる不安や見た目の問題は、高齢者の社会参加を妨げる原因のひとつです。会食時に入れ歯が動いて食事が楽しめない、会話中に入れ歯がカタカタ音がする、笑うと入れ歯が見えるのが気になるなど、精神的なストレスを感じている方は少なくありません。オールオン4はしっかり固定されているため、これらの不安から解放され、自信を持って社会生活を送ることができます。

QOL(生活の質)の向上

しっかり噛めること、人前で気兼ねなく話せること、口元を気にせず笑えること。これらは日常生活の質に大きく影響します。食事や会話、外出といった当たり前の日常を取り戻していただくこと。それが、当院が高齢の患者様にオールオン4をご提案する際に大切にしている目的です。

高齢者に配慮した安全な治療体制

当院では、高齢の患者様が安心して治療をお受けいただけるよう、以下のような安全対策を講じています。

  • 徹底した術前検査:CT撮影による骨の詳細な評価はもちろん、血液検査や全身状態の確認を丁寧に行います。必要に応じて、かかりつけ内科医への照会も行います。
  • 静脈内鎮静法の併用:手術中の不安や緊張を軽減するために、静脈内鎮静法を用いることが可能です。半分眠ったようなリラックスした状態で治療を受けることができ、手術中の血圧変動も抑えられます。
  • 生体モニタリング:手術中は心電図、血圧、酸素飽和度などを常時モニタリングし、全身状態の変化に即座に対応できる体制を整えています。
  • 手術時間の短縮:オールオン4は従来の全顎インプラント治療に比べて手術時間が短く、高齢の患者様の身体的負担を軽減できます。
  • バリアフリー設計:院内は車いすでもアクセスしやすい設計となっており、付き添いの方の待機スペースもご用意しております。

ご家族の方へ

高齢のご家族がインプラント治療を検討されている場合、ご不安を感じることもあるかと思います。当院では、患者様ご本人だけでなく、ご家族の方にも治療内容やリスク、術後のケアについて丁寧にご説明いたします。治療を受けるかどうかのご判断は、ご本人とご家族が十分に納得された上で行っていただくことが大切です。

まずは無料カウンセリングにて、現在のお口の状態と全身の健康状態を総合的に評価させていただきます。治療が可能かどうか、どのような治療プランが合っているかを、わかりやすくご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。ご家族の方もぜひご一緒にお越しください。

インプラント治療のリスクと注意

  • インプラント治療は自由診療(保険外診療)です。
  • 標準的な費用はインプラント1本あたり16万円~24万円(税込)です。
  • インプラントと骨が結合しない場合があります。
  • 平均的な治療期間は3~6ヶ月、治療回数は6~15回程度です。
  • インプラント治療終了後は年に3~4回程度定期健診に来院するようにご説明しておりますが、それに応じない方や個人のブラッシングの状況によりインプラント周囲に炎症が起こる場合がございます。

この記事の監修

新港イトセ歯科 副院長 糸瀬 勝樹

福岡歯科大学卒業。スウェーデン Göteborg大学 歯周病科 CTC修了。日本口腔インプラント学会・東京SJCD所属。インプラント埋入本数10,000本以上(令和8年8月時点)。

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